コラーゲン技術研修会
since 1980
コラーゲン染色定量
K61 「コラーゲン・ステイン」キット
はじめに
近年、コラーゲン研究の進展には、めざましいものがあります。
それと共に、専門外の方でも、手軽にできるコラーゲン染色や定量方法の開発が待たれておりました。
「コラーゲン・ステイン」キットはこの要望に応えたものです。小組織切片中のコラーゲンと、非コラーゲン蛋白の分別定量、さらには、その localization の観察を可能にしました。
腎、肝、血管壁等、各種組織の線維化の研究に、又、新薬の探索研究にと、幅広くご利用いただけたらと存じます。
測定原理
本キットは「A染色液」と「B抽出液」からなり、「A染色液」は、赤色剤と緑色剤の二剤を含みます。
赤色剤は、組織切片中のコラーゲンとのみ、緑色剤は、非コラーゲン蛋白とのみ特異的に結合し、赤色と緑色に染め分けます。
また、結合量は、コラーゲンと非コラーゲン蛋白量に比例します。
「B抽出液」は、赤色剤とコラーゲン、緑色剤と非コラーゲン蛋白との結合を解離させ、二剤を抽出します。
この抽出液のO.D.を測定し、その値から、コラーゲン量及び非コラーゲン蛋白量を知ります。
なお、本キットは、非特異的結合を最小にし、抽出量を最大にするよう工夫されています。
使用論文
Shimamura Y., et al. (2019)Therapeutic Effect of GGsTop, Selective Gamma-glutamyl Transpeptidase Inhibitor, on a Mouse Model of 5-Fluorouracil-induced Oral Mucositis. Anticancer Res. 2019 Jan;39(1):201-206.
Miki Y., et al. (2017) Roles of Aryl Hydrocarbon Receptor in Aromatase-Dependent Cell Proliferation in Human Osteoblasts. Int J Mol Sci. 18(10). pii: E2159