抗NC1抗体測定キット
K36.H.S 抗NC1抗体測定キット
キット内容
A; 抗原固相化プレート
B; 標準液
C; 希釈液
D; 酵素標識抗体
E; 発色基質液
F; 反応停止
G; 洗浄液
※保存温度は「B標準(長期保存は-20℃)」を除き、4~8℃。
「B」は使用時、4~8℃で溶解させる。
特徴
本キットは、ヒト体液中の抗Ⅳ型コラーゲンNC1抗体(抗NC1抗体)をELISA法によって測定するための研究用試薬です。
NC1(K35 NC1)領域は、基底膜の構造と機能において極めて重要な役割を果たしています。カニクイザルを用いた実験的研究では、NC1の投与により腎炎が惹起されることが確認されており、この知見は、NC1がヒトの腎炎発症における病因として共通抗原の可能性があることを示唆しています。
さらに、「K35MONO 抗NC1モノクローナル抗体(マウス由来)」を用いた間接的免疫組織染色実験で、この抗体は、サル腎炎モデルおよびヒトの障害腎組織を特異的に染色する一方で、健常な腎組織や回復期の腎組織には染色されないという独特の性質を持っています。この選択的染色性は、障害を受けた腎組織のNC1領域を特異的に認識する抗体が尿中に出現することを示唆しており、腎疾患の診断や病態評価に新たなアプローチを提供するかもしれません。
本研究試薬は、腎炎の発症メカニズム解明や早期診断法の開発、さらには治療戦略の構築に向けた基礎研究において自己免疫性腎疾患の病態解明や新規治療法の開発に寄与する可能性があります。このキットが腎臓病研究の発展に役立つことを期待しています。
使用論文
Aoyagi D., et al. (2010) Granulomatous transformation of capillary lesions in pulmonary-renal syndrome autologously induced anti-glomerular basement membrane disease in Wistar-Kyoto rats. 14(2):123-31.