Ⅳ型コラーゲンNC1
K35 NC1
容量: 1 mg/ml
本質: Ⅳ型コラーゲンNC1領域(Noncollagenous domain of collagen Ⅳ)
形状: 溶液 (凍結)
保存: -20 ℃
使用期限: 1年
由来: ウシ腎糸球体
精製: 独自精製
溶媒: PBS
防腐剤: 添加無し
特徴
基底膜を構成するⅣ型コラーゲンの非らせん部位。
糸球体腎炎モデルを惹起する。
用途
サル、ラット他の動物で腎臓病・腎炎モデル[K35腎炎]を作製する。
腎疾患治療薬の開発、スクリーニング、自己免疫疾患の研究に
K35腎炎とは
1[K35腎炎]とは、タイプⅣコラーゲンNC1領域(NC1,品名「K35 NC1」)の投与により惹起される「抗糸球体基底膜(GBM)抗体腎炎」である。
「抗GBM 抗体腎炎」は、ヒトでは稀な腎炎(狭義ではグッドパスチャー症候群)とされ、実験的には馬杉腎炎を起点とし、Sadoらがラット腎炎モデル³を確立した。
2腎炎モデルの作成製例
注)下記のラット腎炎モデルは尿蛋白で腎炎発症とした。
1)ラット(Wky/NCrj、雌10週齢)
K35 100 µgを同量のFCAとのエマルジョンとして両後肢足蹠の皮内に1回均等投与。
3週後に尿蛋白が尿試験紙で高度の陽性値を示す¹)。
2)ラット(Wistar、雌5週齢)
尾根部皮内にK35を初回50、2週、4週後に各100 µgを、同量のFCAとのエマルジョンで投与。6週後に尿蛋白が尿試験紙で上限の陽性値を示す¹)。
3)サル(カニクイサル、雌 約4歳)
K35 4mgを同量のFCAとのエマルジョンとして、両後肢足蹠の皮内に1回均等投与。3週後に尿蛋白が尿試験紙で陽性を示す¹)。
*WCN 6 8~12、2003 BERLIN
**9 th APC OF Nephrology 2 16~20,PATTAYA THAILAND
4)サル(カニクイサル、雌約4歳)
背部皮内にK35を初回1 mg、3週後に3 mgを、同量のFCAとのエマルジョンで投与。4-6週後に尿蛋白を示す*。
*第47回(H16)日本腎臓学会 5 27-29 2004. 宇都宮.

Fig. 1 Glomerular hypercellularity (H) and focal and segmental destruction of GBM with cellular crescent (Cre). Tubulo-interstitial lesion is composed of the TBM break (arrows) and interstitial mono-nuclear cell infiltration. No. 2301, PAM stain イナリサーチ社


Fig.2 Appearance of large vacuolated cell or giant cell (*) in the urinary space.
No. 2301, PAS and PAM stain イナリサーチ社
使用論文
Aoyagi D., et al. (2010) Granulomatous transformation of capillary lesions in pulmonary-renal syndrome autologously induced anti-glomerular basement membrane disease in Wistar-Kyoto rats. 14(2):123-31.
関連製品
・「K35mono 抗NC1モノクローナル抗体(マウス由来)」
*ヒトや腎炎モデルの障害腎のみを免疫組織染色し、回復腎や正常腎を染色しない
**K35monoが認識する部位を抗原とした自己抗体がK36により測定される
・「K36 抗NC1抗体測定キット ELISA」 ヒト用
*腎炎で検出される
・「K34 タイプⅣコラーゲン(ヒト胎盤由来) 1 mg」
・「K34POLY 抗タイプⅣコラーゲン抗体(ウサギ由来)」
*正常腎及び障害腎の両者を染色する
・「K79L タイプⅣコラーゲン測定キット(動物用)」 「K79H(ヒト用)」
文献
1)細胞 34(4) : 36-39, 2002.
2)細胞 35(4) :40-44, 2003.
3)細胞外マトリックス研究法(5) コラーゲン技術研修会刊. 48-63, 1999.