コラーゲン技術研修会
since 1980
コラゲナーゼ(MMP)活性測定キット
K11 コラゲノキット CLN100
キット内容
A液;基質(蛍光標識Ⅰ型コラーゲン)
B液;緩衝液
C液;酵素反応停止液
D液;抽出液
K12 コラゲノキット TypeⅡ
キット内容
A液;基質(蛍光標識Ⅱ型コラーゲン)
B液;緩衝液
C液;酵素反応停止液
D液;抽出液
特徴
世界で最初に開発されたNon-RIAによるコラゲナーゼ(MMPs)活性の測定キット。
本キット操作は簡便で、蛍光標識(FITC)されたI型・II型コラーゲンを基質として使用し、微量の酵素を高感度に検出します。
コラーゲン分解酵素であるコラゲナーゼの活性異常は、慢性関節リウマチ、肝硬変症、悪性腫瘍他各種疾患において観察されます。
測定原理
コラゲナーゼは、コラーゲンを切断します。この切断片は35 ℃以上で容易に熱変性し、
熱変性した切断片はエタノールに可溶性になります。一方、未分解のコラーゲンは変性温度が
41 ℃であり35 ℃では熱変性せず、エタノールに不溶です。
本キットはこれらの熱変性温度とエタノールへの溶解性の差を利用したものになります。
操作としては
①蛍光標識(FITC)コラーゲンを溶解中でコラゲナーゼと反応
②分解物のみを35 ℃で選択的に変性
③ついでにエタノールで抽出
④この抽出された分解物の蛍光強度を測定することにより、コラゲナーゼ活性を定量
の流れで行います。
使用例
慢性関節リウマチ、肝硬変症、悪性腫瘍他各種疾患、骨代謝、軟骨細胞、関節疾患等
の研究に
応用例/ゼラチン分解酵素測定法
・MMP2.9等のⅣ型コラゲナーゼやストロメライシンの測定に
応用例/潜在型酵素の測定に
1)トリプシンによる活性化
2)水銀化合物による活性化
使用論文
Ohta S., et al. (2019) Facile fabrication of PEG-coated PLGA microspheres via SPG membrane emulsification for the treatment of scleroderma by ECM degrading enzymes. Colloids Surf B Biointerfaces. 2019 Jul 1;179:453-461.
本製品にかかわる国内文献例
1)服部俊治. 細胞外マトリックス分解酵素の活性測定. In: 畑隆一郎他編 細胞外マトリックス研究法(2)
東京:コラーゲン技術研修会刊 1998: 77-87.
2)服部俊治他. 蛍光標識Ⅱ型コラーゲンを基質に用いたコラゲナーゼ活性測定法. 結合組織.
1996; 28: 27-33.
3)来住凖一他. MMPの活性測定法. In: 鶴大典他編 蛋白質分解酵素Ⅰ 東京:学会出版センター刊
1993: 137-151.
4)中田英二他. 胃癌の発育・進展とコラーゲン代謝. BIOTHERAPY 1991; 5: 1441-1448.
5)飯塚三恵子他. 家兎強膜培養細胞のコラゲナーゼ産生について 予報 FITC- 標識コラーゲンを用いた
簡易微量測定法. 日本眼科紀要 1989; 40: 976-981.
6)工藤功美子他. Bacteroides gingivalis培養上清、ヒト末梢血多形核白血球、及び、ヒト歯肉溝滲出液中の
コラゲナーゼ活性に対するチキン・オボマクログロブリンの抑制効果. 日歯周誌 1988; 4: 1061-1069
7)野村和夫他. 先天性表皮水ほう症の病型と繊維芽細胞由来コラゲナーゼ活性について.
日本皮膚科学会雑誌 1986; 96: 477-481.
8)関根富佐夫他. 慢性関節リウマチ患者の関節液におけるコラゲナーゼ活性についての研究.
日内会誌 1986; 75: 488-494.
9)永井裕他. コラゲナーゼ活性の簡易微量測定法の開発とその応用. FITC- 標識コラーゲンを用いた
コラゲナーゼ活性微量測定法. 炎症 1984; 4: 123-130.
10)永井裕他. コラゲナーゼ活性の簡易微量測定法の開発とその応用. Part2 応用: コラゲナーゼ活性測定
のための検体組織及び体液の前処理(活性化). 炎症 1984; 4: 247-254